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介護のお仕事

2021年(令和3年)4月介護保険改正のポイント

2021.11.30

3年に1度改正される介護保険法。
2021年度も例に漏れず大幅改正されることとなりました。
今回は2021年の介護法改定について、現場で働く介護職員が知っているべきポイントをまとめました。
「まずはザックリと理解したい」とお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。

2021年介護保険法改正の知っておくべきポイント3つ

介護職として働いている人や転職希望者が、最低限知っておくべきポイントに絞ってご紹介します。

高額介護サービス費の支給上限額引き上げ

高額介護サービス費とは、月額の自己負担額が上限を超えた場合、超過分の払い戻しが受けられる制度です。
これまでは世帯全員が住民税課税者であれば、自己負担額は一律4万4千円でした。
今回の改正では、年収に応じて上限額が引き上げられます。
高額介護サービス費の自己負担額上限は、年収1,160万円以上の世帯で最大14万100円となりました。
なお世帯全員が住民税非課税者の場合の自己負担額上限は、これまでどおりです。

科学的介護の推進

新データベース「LIFE」を活用し、利用者の自立支援と重度化防止を促します。
データベース「LIFE」とは、これまでのデータベース「CHASE(チェイス)」と「VISIT(ビジット)」を統合したものです。

利用者へのケアは試行錯誤の連続です。
自立支援と重度化防止に効果が出るかは、利用者ひとりひとりの症状や状況に左右されるため、すぐに答えが出せません。
これでは回り道を余儀なくされ、最短での改善には至りませんよね。
そこで導入されたのがVISIT とCHASEでした。
ケア内容と利用者の改善度等を記録しデータベース化し、全国で共有しようという試みです。

VISITは、通所・訪問リハビリの質の評価データ収集等事業のデータベースのこと。
CHASEは高齢者の状態、ケアの内容等のデータベースのことです。

今回の改正ではVISIT とCHASEが一本化されLIFEと名称を新たにしました。
また新たな加算制度が創設され、科学的介護のさらなる推進を後押ししています。
まだデータを収集している段階ではありますが、今後はデータ入力の負担も減り、またデータを提示することで利用者のやる気を引き出すことにも繋がるでしょう。

テクノロジー活用による業務効率化

介護業界は常に人手不足。
日本の少子高齢化に社会が対応しきれていないのが現状です。
そこでICTなどの技術を活用し、業務効率化を図ろうという狙いがあります。
ICTとは、情報通信技術を利用したコミュニケーションのことで、具体的にはオンライン会議やテレワーク、ペットの確認のために部屋に設置するWebカメラなどが該当します。

介護現場では、多くの加算要件や基準で義務付けられている「他職種等による会議」などについて、原則としてICTでの開催が可能となりました。
大勢の人が一カ所に集わなければならなかったのが、全国どこからでも会議に参加できるようになったのです。
これは人材の移動時間削減にとどまらず、感染症抑制にも一役買った施策ですね。
また、センター等の見守り機器やインカムなどを活用した場合において、職員の配置要件や、夜勤職員の配置基準が緩和されました。

少ない人員でも多くの利用者を安全・快適に介護できるような取り組みが進んでいるのです。

2021年介護保険法改正の要点

2021年改正の大きなテーマは5つ。
それぞれ分かりやすくご説明します。

新型コロナ対策や災害対策

この数年で日本は大災害やパンデミック級の感染症に脅かされてきました。
そこで、このような被害が起こっても、安定的かつ継続的にサービスを提供し続けるため、訓練やシミュレーションの実施等が義務づけられました。
また、訓練に当たっては、地域住民の参加が得られるよう連携に努めなければならないとされています。

地域の連携を強化

認知症への対応力向上に向けて、介護職員は認知症介護基礎研修を受講することになりました(経過措置あり)。
これまで完全無資格でも介護職員になれたものが、認知症介護基礎研修を受講しなければ現場に出られなくなったのです。
合計6時間の研修ですので、転職希望の方は応募前に履修しておきましょう。
医師等による居宅療養管理指導の情報は、ケアマネジャー等にも提供するよう努めることとなりました。
そのほか訪問系サービスや多機能系サービス等において、各種加算が創設されています。

自立支援の推進

LIFEの情報を利用して、ケアの質の向上を図る取組を推進するものです。
計画作成や会議について、リハ専門職、管理栄養士、歯科衛生士が必要に応じて参加することが明確化されました。
また、訪リハ・通リハのリハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)は廃止され、基本報酬の算定要件となりました。

介護現場の働き方改革

介護職員の処遇改善や職場環境改善に向けて、処遇改善加算や特定処遇改善加算の見直しが行われました。
またテレビ電話等を利用した会議、ICT活用により夜間の人員配置基準を緩和、薬剤師による居宅療養管理指導も、パソコン等を用いた服薬指導を新たに評価することとなりました。
移動時間の短縮が見込めますし、休暇が取りやすくなるかもしれませんね。
書類への署名や押印を求めなくてもよくなり、書類の管理についても、紙ベースではなく電磁的な対応を原則認めるとされています。

介護制度をシンプルに

評価の適正化や重点化を図り、評価や基本報酬の見直しが行われました。

そもそも介護保険とは

介護保険法は、2000年に導入されたばかりの比較的新しい制度です。
介護が必要になった時、費用の1部を負担することで様々な介護保険サービスを利用できるというもの。
知識がおぼろげな人は、この章で介護保険の基本についておさらいしましょう。

介護保険のしくみ

介護保険は主に保険者(市区町村)、被保険者(40歳以上の方)、介護サービス事業者の3者から成り立っています。

1. 40歳以上になると、市区町村に対して介護保険料を納めます。
2. 収められた保険料を財源に市区町村は介護保険を運営します。
3. 介護サービスを利用する時がきたら、まず市区町村に申請を行い、要介護(要支援)の認定を受けます。
4. 認定を受けてから、介護サービス事業者と契約して介護サービスを提供してもらいます。
5. 介護サービスにかかった費用は、市区町村に納めた介護保険料と、国や都道府県、市区町村の税金、そして利用者が支払う一部負担金で賄います。

介護保険で利用できるサービス

入浴介護やリハビリテーション、デイサービスなどよく知っているものから、訪問看護や介護予防福祉用具の貸与や介護予防住宅改修までさまざまです。
なお各市区町村によって「地域支援事業」が異なるため、サービス内容も若干異なります。
なお特養等の介護保険施設に入居できるのは、要介護1〜5と認定された人だけです。

介護保険サービスの利用方法

介護保険サービスを利用するには、下記の手続きが必要です。
申請から原則30日以内に認定の通知がなされます。

1. 要介護認定の申請

市区町村の窓口で要介護認定の申請を行います。

2. 認定調査と主治医意見書の作成

申請後は、市区町村の職員等から訪問を受けたり、主治医による意見書が作成されたりします。

3. 審査判定

調査結果や意見書に基づく判定を経て、市区町村が要介護度を設定します。

4. 市区町村による認定介護サービス計画書の作成

要介護度に応じて利用するサービスと業者を選定し、ケアプランを作成します。

5. 介護保険サービス利用の開始

ケアプランに則り、介護保険サービスの利用が開始となります。

まとめ

介護業界は人材不足や高齢化など、さまざまな問題を抱えています。
これらの問題を解決し、利用者にも介護職員にもやさしい現場を実現するため、たびたび制度改正が行なわれているのです。
今回の改正では、感染症対策やテクノロジーの利用など、時代に合わせた内容が盛り込まれました。
制度が改正されたからといって仕事が急に楽になるわけではありませんが、徐々に職場環境や給与形態の向上にもつながるでしょう。

 


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